トスカーナ州

トスカーナ種は特に注目に値する州の一つです。おそらくたくましい生産者と美味しい赤ワイン、例えばChianti DOCGやChianti Classico DOCGの輸出業者のおかげでしょうか。そしてイタリア国内外の最も優れたワイン専門家たちを迎えBrunello di Montalcino DOCGやSassicaia Bolgheri DOCに取り組んだおかげでしょうか。さらにはNobile di Montepulciano DOCGやVernaccia di San Giminiano DOCGのようにその土地にもって生まれた品種を伝統的に育んできたからでしょうか。もしくはワインの愛好家を満足させる重要性を認識しておりワインのイメージ造りにも専念した結果でしょうか。どれも見落とせないポイントです。

トスカーナ州の11つのDOCG、40のDOCそして6のIGTを理解するために州を2つに分けて考えて見ましょう。フィレンツェ県とシエナ県周辺の州中心地方とピサ県、リヴォルノ県、グロッセート県に及ぶ西部地方とにです。

トスカーナ中心地方

トスカーナ中心地方は古くからワイン造りの盛んな地域でトスカーナの伝統的なワイン造りの中心地でもあります。特にサンジョヴェーゼ種と結びつきが強くBrunello di Montalcino DOCG、Carmignano DOCG、Chianti Classico DOCG、 Vino Nobile di Montepulciano DOCGがこの品種の特性を良く表現し高い価値のある長期熟成タイプの赤ワインを提供してくれます。

この偉大な赤ワインたちにかこまれてVernaccia di Sangiminiano DOCGは麦わら色の白ワインをアピールしています。土着品種であるヴェルナッチャ種から造られるこのワインは古くはこの地方でのみ消費されるワインでしたが、今では赤ワインに劣らず州を跨いでその名声を得ています。

トスカーナ西部地方

ティレーノ海に向うと温暖な気候と自由な土地が広がる西部地方では使用される品種も増えますが、赤ワインの傾向は変わりません。リヴォルノ県にはイタリア・ワインにおいて最も価値ある(そして高価な)ワインの一つBolgheri Sassicaia DOCがありカベルネ・ソーヴィニョン種が使用されています。それより少し南に行くとエルバ島がありセミ・アロマティックであるアレアーティコ種が栽培されており赤のパッシート・ワインであるElba Aleatico Passito DOCGが生産されています。グロッセート県ではまたサンジョヴェーゼが重要な地位を占めておりMontecucco Sangiovese DOCGとMorellino di Scansano DOCGの2つの重要な呼称が存在しています。

白ワインではアンソーニカ種から造られるAnsonica Costa dell'Argentario DOCやトレッビアーノ・トスカーナ種から造られるBianco di Pitigliano DOCとSan Torpé Bianco DOCがあります。