水分
エチル・アルコール
アルコールはワインの容量に対して2番目に多い成分です。ワインに含まれるアルコールの量はパーセントで表示されアルコール度数と呼ばれます。ワインの種類によってその量は違ってきます。酒精強化ワインを除けば、通常容量の9%から16%を占めます。
色は透明で水のようですが、その匂いは刺激的で味は特に焼けつくようです。
アルコールが添加されている酒精強化ワインを除いてアルコールは発酵の過程で生成されアルコール発酵とも呼ばれます。
効果: 熱さ、軟らかさ
グリセリン
グリセリンは発酵の副次的生成物でアルコールと共にワインにまろやかさと軟らかさを与えます。液体の状態では透明で粘性があり甘ったるい味がします。
様々な分野で使用され、例えば食品添加物の甘味料としてE422の分類番号が与えられています。
効果: 軟らかさ
酒石酸
効果: 唾液分泌、酸味、新鮮さ
リンゴ酸
リンゴ酸はぶどうの中に生来存在し発酵の過程でワインに移る酒石酸と共にワインの酸味の主な原因の一つです。常温では固体として存在し白色でわずかな匂いがあります。
冷涼な年や成熟しきっていないぶどうの実ではその濃度が原因でリンゴの皮のような好ましくない味になります。この場合リンゴ酸を乳酸に変えるマロラティック発酵が必要となりより軟らかく酸の刺激を減らします。

効果: 唾液分泌、強い酸味
乳酸
乳酸はマロラティック発酵による生産物で発酵過程でリンゴ酸が乳酸と二酸化炭素に変わります。リンゴ酸に比べて酸味が少ないので乳酸の存在はワインに青臭さを減らし軟らかくスパイシーさ香ばしさを与えます。
マロラティック発酵は特定の条件下で自然に、もしくはバクテリアを添加する事によって活性化させます。通常は赤ワインと熟成させる白ワインにおいて行われます。
効果: 唾液分泌、酸味
効果: 唾液分泌、酸味、塩味、苦味
酢酸
酢酸はアセトアルデヒドが酸化することによって生成される発酵の副次的産物で0,5 g/lを超えて存在するとワインに青臭い不快な刺激臭を与えます。常温において液体で存在し透明です。
ワインにおいて酢酸の存在はしばしば二酸化硫黄の使用と対照をなします。実際二酸化硫黄はアセトアルデヒドの分子と強く結びつき酢酸の不快な匂いを抑制します。二酸化硫黄は多量摂取すると人体に悪影響を及ぼすのでアセトアルデヒドの酸化を上手くコントロールすることによって二酸化硫黄の使用を抑え、ワインを最終的に良い結果に仕上げます。

効果: 酸っぱさ
糖類
糖類(ブドウ糖、果糖、キシロース、アラビノース、スクロース)はぶどうの中にもともと存在し、実が成熟すことによって生成されます。
発酵過程ではすべてがアルコールに変化するわけではありません。残糖の濃度によってワインが辛口(< 9 g/l)や甘口(> 50 g/l)などと呼ばれます。
効果: 甘味、軟らかさ
色素
色素はフェノール化合物などでワインに色やボディーを与えます。
- 赤ワインの色はアントシアニンやタンニンなどによります
- 白ワインの色はフラボンやカテニン、ロイコアントシアニン、クロロフィルなどによります。
タンニンやカテニン、ロイコアントシアニンは色素であると同時に渋みを与える物質でもあります。
効果: 色、ボディー感、収斂作用
香り物質
香り物質とはワインに香りや味を与える物質のことです。その香りの由来により3つのカテゴリーに分類されます。
- 第一のアロマ:ぶどうに由来する香りでマルヴァシーア類(Malvasia)やモスカート類(Moscato)、ブラケット種(Brachetto)、ゲヴルツ・トラミネール種(Gewürztraminer)では特に重要な要素です。
- 第二のアロマ:発酵の過程で生成される香りです。
- 第三のアロマ:熟成の過程で生成される香りです。
効果: 味覚、嗅覚
ミネラル類
有機酸塩(酒石酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩)と無機酸塩(塩化物、硫酸塩、リン酸塩)はぶどうから由来しワインにミネラル感や旨味を与えます。これらはしばしば酸味と混同されがちです。
効果: ボディー感、唾液分泌、塩味
二酸化炭素
二酸化炭素は発酵の過程で生成され気圧によってワインの中に液体として溶けています。
効果:泡立ち、鮮やかな色、軟らかさの低減、硬さの強調
二酸化硫黄
二酸化硫黄はワインの中にもともと存在する物質でアルコール発酵の過程で生成されます。二酸化硫黄の更なる添加はワインの変化や劣化を防ぐ目的で使用されます。
効果:保存、殺菌作用
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